上司とお客様は神様ではない

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日本で働いていたときは、「上司の言うことにNoと言ってはいけない」「お客様は神様」という観念がとても強かったように思います。

 

インド人にこの感覚を説明しても、なかなか理解してもらえません(理解してもらう必要もありませんが)。

 

「日本人はなぜ残業をする?用事があるなら時間になったら帰ればいいでしょう?日本は解雇規制が強いのに残業しないで帰ったらクビになるのか?」などと言われます。

 

 新卒の頃勤めていた会社の上司が外資コンサルティングファーム出身だったのですが、よく「お客様は神様なんだから、お客様のどんな要望にも応えるのがプロフェッショナルだ」と言っていました。

 

その上司は、顧客のどんな理不尽な要望にも深夜2~3時まで残業して応えており、その姿勢には圧倒的な迫力がありました。

 

しかし、その「プロフェッショナル精神」について詳しく聞いてみると、およそ本当にお客様を神様だと思っているとは感じられませんでした。

 

お客様の前では「お客様は神様です」という姿勢を出そうとしているものの、内輪ではお客さんの愚痴で盛り上がります。

 

新卒の頃からその上司の考え方には違和感があったものの、社会人経験8年を経た今、その違和感が確信に変わりました。

 

「業者は顧客のどんな理不尽な要求にも応えなければならない」

「部下は上司の命令にNoと言ってはいけない

 

などという法律は存在しません。

 

では、なぜ彼らは

「顧客の言うことを聞かなければならない」「上司の言うことにNoと言ってはいけない

と思い込んでしまっているのでしょうか。

 

それは一言で言うと、逆説的ですが「プロフェッショナルとしての自信がないから」です。

 

自信がないから「お客様や上司に認められたい」「契約を切られるのが怖い」という不安な気持ちが生じ、自分の主張ができなくなってしまうのです。

 

自信があれば、理不尽な要求に反発して顧客から契約を切られても

「自分の良さを評価してくれる顧客は他にいるし、むしろ厄介な顧客に無駄な時間を割かれても効率が悪いから、契約を切られて本望だ」

と考えられますし、サラリーマンであれば

「こんな会社辞めて、もっと自分の良さを分かってくれる会社に移ってやる」

と思えます。

 

その余裕があるからこそ顧客に対して最高のサービスが提供できると思いますし、それこそがプロフェッショナルではないかと思います。

 

つまり、顧客や上司のどんな理不尽な要求にも応えるのがプロフェッショナルなのではなく、顧客や上司に対して自分の考えを誠実に伝えられるのがプロフェッショナルということです。

 

「お客様は神様」ではなく「私がお客様の神になる」という発想です。

 

その前提には「自分はこの人に嫌われてもやっていける」という余裕が必要ですが、自分の仕事能力にら対して自信がなければ余裕はできません。

 

問題は、どうやってその自信をつけるのかってことです。

 

突出した能力を身につけるには、何でも人並みにできることより、苦手分野には手を出さず(人に任せて)自分の得意分野に集中して能力を伸ばすことが大事かと思います。

 

今までの仕事の中で「あまり頑張ってないのに周りから感謝されたこと」「一生懸命頑張ったのに評価されなかったこと」があると思いますが、前者が得意分野で後者が苦手分野です。

 

自己肯定感が高い人なら「あぁこれが自分の得意分野か」とすぐピンと分かるのですが、自己肯定感が低いと「得意なことなんてない」と思ってしまうので、ここが難しいところです。

 

自己肯定感の低い人は、周りから褒められても素直に受け取れず「頑張ってない私のことを褒めるなんて、何か別に目的があるはずだ」と勘ぐったりします。

 

または、「私のことを褒める人はセンスがない人だから、そんなセンスのない人に褒められても得意分野とは言えない」と、どうやっても自分の得意分野を見つけられないようにロジックを組み立ててしまいます。

 

・顧客や上司の理不尽な要求を退けて自由に生きるには自信が必要

・自信をつけるには裏づけとなる能力が必要

・能力を身につけるには、自分の得意分野の見極めが大事

・自分の得意を見極めるにはまず自己肯定感を上げることが必要

 

というのがここまでの話ですが、ではどうすれば自己肯定感の低い人が自己肯定感を上げられるのか?という話です。

 

それには、逆説的ですが

「まずは理不尽な要求を断ってみる」

ということからかと思います。

 

自信はないけど、上司や顧客からの理不尽な要求を断っても良い、反抗して良い、まずはそう思うことかと思います。

 

これは非常に恐ろしいことですが、自信があるから上司や顧客に逆らえるのではなく、上司や顧客に逆らうから自信がつくのです。

 

断ってすぐに契約を切られたらどうするんだ?評価が下がったらどうするんだ?という問題があるかと思います。

 

サラリーマンであれば、理不尽な要求を1回断っただけでクビを切られるということはまずありません。

 

上司の側だって、部下に辞められたりしたら自分の評価が下がりますし、怖いはずです。

 

自分の得意分野を見つけて仕事の能力に自信を持つために必要なプロセスと割り切って反抗してみましょう。

 

残業しない、行きたくない飲み会は断るなど。上司だけでなく部署全員に睨まれるかも知れません。

 

でも、それらを断ってもクビを切られなかったとき、「あぁ、反抗しても大丈夫なんだ」と少し自己肯定感が上がるはずです。

 

顧客に反抗して契約を切られた場合は、「質の悪い客に自分の貴重な時間を取られなくて良かった」と開き直って、質の良い顧客を探すことに全力を尽くすべきではないでしょうか。

 

そうしていくことで自己肯定感が上がり、得意分野に気がついて少しずつ自由になっていくのではないかと思います。