北京と上海

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同じ中国でも北京と上海は全く異なると言われています。2006年に初めて北京へ行ったとき、ガイドから

「北京は日本でいえば東京、上海は日本でいえば大阪のような都市です。東京は日本の首都ですが大阪は日本経済の中心ですね?それと同じように、北京は中国の首都で、上海は中国経済の中心です。」と説明を受けました。

私はこの説明を聞いて「うーん、確かに東京が日本第1の都市で大阪が第2の都市という意味ではそうかも知れないけど、大阪が日本経済の中心だったのは江戸時代や戦前の大大阪の時代で、戦後は一貫して東京が経済の中心だし、そもそも東京と大阪ってそんなに違うかな?」と、腑に落ちませんでした。

 

その後、この問題について考えた私は

北京=東京 上海=大阪

ではなく

北京=京都 上海=東京

ではないかと結論づけました。

 

確かに日本の政治の中心は東京で、日本の標準語は東京の言葉です。一方、中国の政治の中心は北京で、中国の標準語(普通話)は北京語なので、その点は共通しています。

しかし、人々の気質や都市の雰囲気という点では北京と東京は大きく異なります。私は北京の人々の考え方を知るにつれ、京都そっくりだと感じるようになりました。私が感じる京都の気質とは何か?それは、古都としての圧倒的なプライドです。

 

私は京都には住んだことがありませんが、京都の中でも京都市の御所の近くのほんの狭いエリアだけが京都であって、京都市外の京都府民が「京都人」を名乗るのは憚られると聞きます。そして府外から来た人は京都にはなかなか打ち解けにくい、京都社会へ入りづらいと聞きます。

 

北京も、元の時代から中国の首都としての地位を保ってきましたので、長い歴史があります。北京市全体は四国と同じくらいの面積がありとても広いのですが、西城区や東城区といった中心部(昔の城壁の内側)こそが北京人であって、その外側の人は強い劣等感を持つそうです。

 

そして、多くの北京の人が北京以外の地域の人達のことを「外地人(地方出身者)」として見下します。

※中国語の「外地」は単に「よその土地」という意味で、日本語のように「植民地」という意味はありません。

東京にはそこまでの歴史がないため、正直なところ京都ほどのプライドはありません。千代田区・港区・中央区が「都心3区」と呼ばれますが、足立区民や八王子市民に向かって「東京と名乗るな」とまでは言いません。

上海も、上海人から聞いたところによると北京ほどエリアによる差別は強烈ではないようです(もちろん、エリアによる地価の差はあります)。

 

北京と上海は本当に仲が悪いようです。北京人からすると「私たちが中国の中心であって、言葉だって北京の言葉が最も正統な中国語だ」というプライドを持っています。一方、上海人からすると「経済力では上海が圧倒的で、いくら首都機能があるとはいえ上海に比べれば北京は田舎ではないか」と思うようです。

 

日本人同士でも都道府県同士でちょっとしたいざこざはありますが、海外に出たら「我々日本人」という感覚の方が強く、「アメリカ人とは仲良くしても大阪府民とは仲良くしない」などということはないと思います。

 

しかし中国人の場合、「我々中国人」という感覚は日本人に比べて希薄で、例えば日本に来ている上海人は日本人とは仲良くしても北方出身の中国人とは仲良くしない、などといったことまであるそうです。

日本は政治と経済が東京に一極集中しており、京都は伝統文化の中心という位置づけだと思いますが、もし日本が

天皇は京都にいて、国会・首相官邸最高裁判所も京都にあり、日本の標準語が京都の言葉

 ・経済の中心は今と同じく東京(新宿、渋谷、六本木や丸の内は今と一緒だったら)

だったら、もう少し東京と京都の対立が激しくなっているかも知れません。

 

今の中国はまさにそのような状況だと考えてもらえればイメージがつくのではないでしょうか。