成田からチェンナイ・バンガロールへの直行便

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2020年3月までに私の住んでいるチェンナイにある空港へ成田空港から直行便が飛ぶそうです。しかも、エアインディアなどのインドの航空会社ではなく、全日空です。そして、隣の大都市(といっても350kmくらい離れていますが)のベンガルール(旧:バンガロール)にも成田からJALの直行便が飛ぶそうです。

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今まで日本からインドへの直行便は北インドのデリーとムンバイだけでしたが、今回初めて南インドへ、しかも南インドの2大都市であるチェンナイとバンガロールへ同時に成田から直行便が就航することになったのです。チェンナイとバンガロールに在住する日本人はこのニュースに狂喜乱舞しています。今までチェンナイ空港へ来るには、シンガポールバンコク、クアラルンプール、香港またはデリー・ムンバイでの乗り継ぎが必要でした。

いずれも乗り継ぎの待ち時間がそれなりに長い上に到着が深夜なため、移動するだけで疲労困憊します。最も楽な移動はスリランカ航空でのコロンボ経由です。コロンボまでは成田から直行便があるのですが、午前11時成田発の午後8時チェンナイ着です。しかし「スリランカ航空って大丈夫なのか?」などと言われてしまいます(実際には別に危ない航空会社ではありません)。

なお、チェンナイにもバンガロールにも大した観光地はないので(正確に言うと、日本からわざわざ来るほどの価値がある観光地ではないので)あくまでもビジネス需要だと思います。

今回、興味深かったのは、このニュースに対する日本在住の友人達とインド在住の日本人との温度差です。インド在住の日本人は、「ついに南インドも一流都市になった」と騒いでおります。実際、まだここに半年しか住んでいない私ですが、来た頃よりもお店も増えて少しずつ発展しているのを実感します。

しかし日本在住の友人からは「『チェンナイ』って都市に全日空が直行便飛ばすっていうニュースを聞いて、どこかで聞いたことがある地名の気がしたんだけど、いま住んでるのってチェンナイだっけ?」「チェンナイってタイじゃなかった?(←それはチェンマイです)」「バンガロールなんて、JALも随分変わったところに直行便を飛ばすんだなぁと思ったけど、乗る人なんているの?」などと言われています。

チェンナイに半年も住んでいる私は、「日本人ならチェンナイは知らなくても、せめてバンガロールくらい知ってるだろう」という勘違いに陥っていました。インドは中国と並ぶ未来の超大国で、バンガロールはそのインドの主要産業であるIT産業を牽引しているのですから、日本でも非常に有名な都市なんだろうと錯覚してしまいました。

しかし実際に日本在住の日本人でインドに興味がない人からすると、そもそもインド自体があまり知られておらず、「インド」と言って思い出すのは「暑い、臭い、汚い、カレー」といったイメージで、首都すらどこにあるかも知られていないのではないかと思います。

インドには山ほど観光地がありますが、日本人に知られているのはせいぜいタージマハルとバラナシくらいです。しかも「タージマハル」と「バラナシ」という名前は出てこず、「屋根が玉ねぎみたいな形した白いやつ」とか、「大勢のインド人が汚い川に入って拝んでるとこ」などと言われます。

一方、インドに住むとインドに詳しい日本人とばかり顔を合わせることになるので、私の頭の中にある「インドに関する日本人の常識」が変わってしまいます。そこで、日本在住の日本人に対して「タージマハルくらい知ってて当然だろ」というトーンで話してしまうと軋轢を生むことになります。

「どこまで相手が分かってるか?」を計る加減がとても難しいです。例えば、私は過去に「万里の長城っていう、中国で有名な建物があるんですが…」と言って「私のことバカにしてますか?!」などと怒られたことがあります。しかし、かと言って「万里の長城を知ってるなら故宮天安門の名前も知ってるだろう」と思って話すと、それは知らなかったりします(故宮天安門は中国の中心なので、中国人は万里の長城よりも重要な場所という感覚だと思います)。

このように、説明を省きすぎると「疎外されている」と感じさせてしまいますが、だからと言って丁寧に説明しすぎると「バカにされている」と感じさせてしまう可能性もあります。相手の生活環境や背景を考慮しながら、相手がどこまで知っているのかを理解してコミュニケーションをするのは難しいと日々感じます。

話が逸れましたが、いまは日本人の認知度が低いチェンナイとバンガロールでも、少しずつ知名度が上がって「あのチェンナイに住んでたんですね」なんて言われる日が来ればと思います。来るわけないと思いますが…